老人ホームの選び方

種類の多い老人ホーム

老人ホームは、施設の特徴により「介護型」と「住宅型」に分かれます。
介護型施設は、入浴や排泄の介助、食事や生活支援サービスなどを施設が総合的に行うのが特徴です。
住宅型施設は、生活支援などの施設の基本サービスに、訪問介護や訪問看護、デイサービスなどの介護サービスを利用者が選び
介護体制を整えていくのが特徴です。「施設にお任せしたい方」は介護型、「ご自身で選択したい方」は住宅型がおすすめです。
介護型施設 主な特徴
① 特別養護老人ホーム
福祉施設
比較的低コストの施設で看取り対応可能な施設もある。
個室・多床室がある。
② 老人保健施設
福祉施設
自宅に戻れるようリハビリが必要な場合に入所できる。
入所期限がある。
③ 介護療養型医療施設
福祉施設
急性期の治療後、長期の療養が必要な場合に入所が可能。
実際には重度の方向け。
④ 介護付有料老人ホーム〔特定〕
民間
24時間体制で介護が受けられる。
自立型・混合型・介護型のタイプ有。
⑤ サービス付き高齢者向け住宅〔特定〕
民間
24時間体制で介護が受けられる。
サービス付き高齢者向け住宅のような自由度はない。
⑥ グループホーム
民間
同一市内に住所がある認知症の方だけが入居可能な
アットホームな施設。
⑦ ケアハウス〔特定〕
福祉施設
24時間体制で介護が受けられる。
比較的低コストで入居が可能。
⑧ 小規模多機能居宅介護施設
民間
利用者が施設への通いを中心に、宿泊・自宅訪問を
組合せて選択できる。

〔特定〕特定施設とは厚生労働省規定の一定の条件を満たし、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の事業指定を受けている介護付きの施設です。入居している利用者に対して入浴・排せつ・食事等の介護、その他必要な日常生活上の支援を行います。

住宅型施設 主な特徴
① 住宅型有料老人ホーム
民間
厚生労働省の管理規定など運営基準を満たした老人ホーム。
要介護時には訪問介護などと個別契約して利用する。
② サービス付き高齢者向け住宅
民間
安否確認と生活相談サービスを提供する高齢者住宅。
要介護時には訪問介護などと個別契約して利用する。
③ ケアハウス
福祉施設
諸事情により在宅が困難になった方向けの施設。
入居者の所得に応じて補助があるので、低所得者も入居しやすい。
④ その他高齢者住宅
民間
バリアフリー対応の高齢者住宅。公的なシルバーハウジングや、サービス付き高齢者向け住宅などの要件を満たさない施設があり、施設によってサービス内容は様々。

代表的な施設の特徴を知ろう

色々な種類があり、入居対象者や費用・サービス内容が異なる複雑な老人ホーム。代表的な4施設をご説明いたします。

特別養護老人ホーム(特養)

常時介護が必要な要介護3以上の方が入居対象です。公的な施設で多くの待機者があり、順番待ちが必要な特養がほとんどです。月額利用料は入居者の前年度の所得によって決まり、年金が少ない方には軽減措置があります。

選び方のアドバイス
要介護3以上になったら、まずは特養を見学し、気に入った施設があれば申込をしましょう。
申込をキャンセルしても違約金は発生しません。また、特養の順番がくるまで、介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、老人保健施設に入居することも選択肢の一つです。

老人保健施設(老健)

退院が決ったけれど自宅に戻るためには、もう少しリハビリを行いたい場合に入所するリハビリ専門の施設です。
理学療法士などリハビリ専門員が配属されています。

選び方のアドバイス
病気やケガで入院すると体力が低下するため、退院後の自宅生活に不安がある方は「老健」でリハビリを行ってから、再度自宅での生活を考えるのも選択肢の一つです。

介護付有料老人ホーム

自宅での生活が困難なため24時間体制で見守り・介護を受けたい場合に入居する施設です。
施設によって入居条件や費用・サービス内容が異なるため、確認が必要です。

選び方のアドバイス
都道府県から介護保険の特定施設を指定を受けている施設です。基本サービスについては介護保険の限度額を超えて追加料金が発生しない点がメリットです。施設によって受入介護度や入居費用、サービス内容・看取りや認知症対応、既入居者の身体状況などが異なるため、複数見学することをお勧めします。

住宅型有料老人ホーム
サービス付き高齢者向け住宅

お元気な方から重介護の方まで、様々な予算やニーズに合わせて住まいをお探しの方におすすめの施設です。
バリアフリーで安否確認等が付いている安心できる高齢者向けの賃貸住宅です。

選び方のアドバイス
介護や看護は外部の事業者と個別に契約して「居宅サービス」を利用する仕組みです。「デイサービス」が使える場合もあります。サービス付き高齢者向け住宅等の必須サービスである「安否確認・生活相談」以外は、受入介護度や入居費用、サービス内容などが施設によって異なるため、複数見学することをおすすめします。

施設選びのポイント

介護付有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などは、施設によって入居条件やサービス内容が異なります。
また、既に入居されている方も施設によって「年齢層」や「お体の状態」なども違います。
最適な老人ホームを選ぶためには、計画的な準備が大切です。

施設見学時のチェック項目

施設選びのポイント

1
ご要望が全て叶う施設はありません。優先順位を付けましょう。
2
介護度が上がったときを想定して、資金計画を立てましょう。
3
館内の雰囲気だけでなく、職員の言葉使いや、ご入居者の表情を確認しましょう。
4
持病が悪化したときなど、どのような時に退去となるか確認しましょう。
5
息子様・娘様でも、いつかは車の運転が困難になります。交通の便を確認しましょう。
6
気になる施設があれば迷わずご見学。住まいとの出会いはご縁です。
7
3施設程度見学し、比較検討しましょう。
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